瀬川記念小児神経学研究所のホームページにおいで下さり、どうもありがとうございます。
2014年12月に瀬川昌也先生がご逝去され、あっという間の5年間でした。
瀬川先生が残された小児神経学の財産は、あまりにも膨大で何から整理をしていいのか、全くわからない状態でした。
しかし、多くの皆さまのご協力を頂き、このような研究所とHPが開設でき、安堵しております。
私は、2000年に旧瀬川小児神経学クリニックに研修に参りました。その時「このクリニックの患者数、研究の数々は驚異的なレベルで、世界有数」と感じたことを覚えております。
瀬川病などのジストニア、レット症候群、トウレット症、睡眠障害、ダウン症、てんかん、自閉症、発達障害(神経発達症)、筋疾患、その他変性疾患、稀少疾患等、全てにおいて数が多く、世界レベルで、国際学会が開けるほどと感じました。現に、瀬川昌也先生は、国際小児神経学会の重鎮でおられましたし、レット症候群などでは国際学会を主催しておりました。
患者数の多さにも驚きますが、その診療内容の記載の多さ、独自の視点からの検査、治療等がさらに莫大な数のデータが残されており、これらのデータ一つ一つをきちんと解析すれば、未来の小児神経学、小児科学の発展に寄与するものと確信しております。私たちは、「瀬川理論」と呼んでおりますが、その瀬川理論の解明は、医学の発展につながるものと信じております。
この研究所とHPの目的は、これらの瀬川昌也先生が残された膨大なデータを、後世の研究者が学べる基礎を作ることです。
内容は、旧瀬川小児神経学クリニックで開催した研究会資料、瀬川昌也先生の著書・論文の公開、医学蔵書のリスト、瀬川昌也先生の直筆の研究メモ、瀬川小児科病院に関する小児科の歴史的資料の公開、さらに、現クリニックにて開催している瀬川塾(私塾)、年1回行われている「アミン系神経の発達を考える研究会(少量L-ドパ療法研究会)」の公開を行っています。しかし、公開されているのは、研究所に残されているデータのごく一部で、10%にも届きません。
今後は、さらに臨床における重要な資料の保存、解析、研究発表を考えております。
現在の瀬川記念小児神経学クリニックで勤務している、もしくは関わる医師だけでは到底、網羅することはできず間に合いません。とても私のような愚輩には力及びません。
しかし、これから、私達の意思を理解してくださる方が名乗りを上げて下されば、一緒に研究し、解明することが出来ます。
今後、皆様方からの寄付を基盤に、公開できるデータを増やしていくこと、また、年に1回程度は、本郷瀬川ビル会議室にて、当会の研究会等を開催し、情報を共有していきたいと思います。
随時、資料解析の進捗状況をご報告して参りたいと思います。
ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
瀬川記念小児神経学研究所 所長 星野恭子